小久保 隆(コクボ タカシ)

小久保 隆

プロフィール
 1956年生まれ 環境音楽家、サウンドデザイナー、 メディア・プロデューサー 株式会社スタジオ・イオン代表取締役 放送大学 非常勤講師

 「ウィー、ウィー、ウィー」の携帯電話緊急地震速報のアラーム音や、電子マネー「iD」のサイン音、 ドコモのメロディコール初期楽曲などで知られるサウンドデザイナー。 「六本木ヒルズ アリーナ」の環境音楽や、「クイーンズスクエア横浜」モール内の音環境デザ イン及び時報音楽、横浜市の「サウンドロゴ」なども手がける。 近年は1980年代の日本のアンビエントミュージックが世界から注目され、UK やスイス・デンマークなどか ら再リリースのオファーが集まる。小久保の楽曲も収録された USA のコンピレーション・アルバム 「KankyoOngaku:Japanese Ambient,Environmental & New Age Music1980-1990」は、2020グラミー賞(最優秀 ヒストリカル・アルバム部門)にノミネート。また TV 番組の企画で制作した”理論上は誰でも気持ち よく目覚められる目覚まし「初耳アラーム」”が、iTunes のダウンロードサイトでランクイン。NHK の人気 番組「チコちゃんに叱られる!」に「緊急地震速報音」が取り上げられ、制作者として出演。

 自然が持つ人の心を癒す力に注目し、現代人の心に優しく響くリラクゼーションミュージック を作曲。自然に恵まれた山梨県武川のプライベートスタジオで、脳をリラックスさせる効果のあ る高周波ノイズ、1/f ゆらぎ、脳波測定などの理論的背景を携え、独自に開発した立体的な音を 収録可能なマイクロフォン「サイバーフォニック」を使用して音楽を作りあげる。近年では音だ けでなく自然映像も手がけており、これまで収録に訪ねた国と地域は50ヶ所を超える。2014年に は EXILE ATSUSHI 氏のセカンドソロアルバム「Music」に、自然音のトラック「Interlude」を提 供、また3nd ソロアルバム「Love Ballade」収録「空の彼方へ ~Endroll~」の映像を制作するな どマルチに活躍中。2022年にはプライベートスタジオ(Sage Studio)をイマーシブ化リニューアル。 7.1.4ch の Dolby Atmos 対応スタジオになりライブ配信も可能になりました。

 都市・オフィス・ミュージアム等のパブリックな空間を「音(音楽)で環境デザインする」サウンド デザイナーとして活躍する傍ら、プライベート空間にも癒しの音楽を提供するアーティストとし ても活動をしている。 1999年には「イオンレーベル」を立ち上げ、現在までに23タイトルをリリース。なかでも「風の 詩」「水の詩」はロングヒットを続け、「イヤーバカンス・シリーズ」(コロムビア)とともに好評を 博す。2007年9月には、20年の集大成であるベストアルバム「クワイエット・コンフォート」を リリース。2009年には世界各国の自然音を収録した「地球の詩」シリーズ10タイトルが完結。 また、リラクゼーション&ヒーリング CD 販売の大手「デラ」より、2013年に「ウォーター・ヒ ーリング」を、2014年には音楽と映像をプロデュースした「癒しの森~フィンランド(CD+Blu- ray)」、2016年には「フォレスト・ヒーリング」をリリースし活躍の場を広げている。

 近年はメディア・プロデューサーとして映像制作にも力を入れており、360度パノラマ作品を手 がける。2014年には、第五回国際科学映像祭ショートプログラムコンテストにて「自然曼荼羅~ 調和の世界」が審査員特別賞を受賞。 そのほか、G-rush という音楽制作集団を率いて「エレメンタルモンスター」「天外魔境 ZIRIA」 (共にハドソン)など、音で世界観を演出するゲーム音楽の作品も多数。

楽曲
 4 熱帯雨林のソリスト

コメント
[楽曲について]

 1996年にボルネオ島のジャングルにフィールドレコーディングに行ったときに収録した熱帯雨林の鳥の声です。
 サイバーフォニックという自作のバイノーラルマイクで収録しました。
音楽的な制作は何も行っていません、全くの自然環境音です。

[坂本さんとの思い出]
 1990年の「THE FANTASY OF LIGHT & LIFE」EXPO’90/大阪花博 電力館の音楽制作に作曲家として参加させて頂き、それ以来、「Infinite Escher」、1998年の長野五輪、1989年のロールプレーイングゲーム「天外魔境 ZIRIA(ジライア)」などの制作をお手伝いさせて頂きました。
 とても印象に残っているのは、音楽的才能はもちろんなんだけど、彼のスケジュールの組み方。毎月必ず「STUDY」と言う日が2日ほど入っていて、その日は仕事をしないようにして自分の感性を磨くための大切な日としていたのです。私の印象では「天然の天才」が細野晴臣さん、「努力している天才」が坂本龍一さん、でした。